平成23年度 文部科学省 東日本大震災からの復旧・復興を担う専門人材育成支援事業
「被災地支援の為の組込みシステムに精通したEV車等整備人材育成」

事業目的

本事業の目的は、東日本大震災の被災地において、自動車組込みシステムに精通した整備人材の育成プログラムを開発し、被災地の復旧・復興を支援することにある。
東日本大震災は自動車業界に対しても甚大な被害をもたらし、津波によって被災した車両は40万台を超えるとも言われている。しかし、このことは復旧に向け た取替え需要が膨大であることも表しており、この需要を基にして新しい産業基盤の整備に期待が集まっていることも現実である。その一方で、震災によって整 備人材が損失・流出しており、復興の過程で整備サービスの供給が不足することが予想される。
また、大震災の発生とは関係なく、IT技術の進展によって、組込み技術を適用したコンピュータ制御の割合は増加し、かつ、その内容も高度化している。加え て、環境・エネルギー問題の観点から、ハイブリッド車(HV車)、電気自動車(EV車)等多様な低公害車(以下、「EV車等」)の急速な普及によってその技術は複雑化している。
以上のような見通しと現状を重ねると、これからの被災地において、自動車、とりわけ、EV車等の整備に精通した自動車整備人材が不可欠になってくる。さらに、これらの人材が定着して成長するには、組込み技術を合わせ持つことが必要である。
しかしながら、自動車整備士資格自体が組込み技術やEV車等に対する整備技術を取り込めておらず、整備の現場ニーズを満たすためには、各自動車メーカーが実 施する研修等に頼らざるを得ないのが現状である。本事業では、以上のような背景認識に基づき、自動車整備士の養成課程を有する専門学校が実施することを念 頭に、自動車組込みシステムに精通した整備人材の標準的な育成プログラムを開発する。
次の図は本事業の全体像を表している。図の上部は、今後予想される整備人材不足に備えて、組込み技術の学習を含む自動車整備士の標準的な教育プログラムが必要であることを表している。また、図の下部は、その必要性に向けて本事業がどのような体制で、どのような受講者を想定して、どのような内容のプログラムを開発しようとしているかを表している。

図

学校法人九州総合学院 九州工科自動車専門学校
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